2014年の夏、市の婦人科健診を受けに行ったところ「大きい病院に行って精密検査を受けてください」と言われたのが始まりでした。
今日までどこが痛いわけでもなく、普通に生きてきたのにも関わらず、なんと卵巣がんの疑いがあるかもしれないという事でした。
最初は聖マリアンナ医科大学病院に行こうと思いましたが、友人が新聞にがん研有明病院が卵巣がんを取扱っている症例数が多く良いのではないか、と勧めてくれましたので、同年の9月初めにお世話になることにしました。
さっそく精密検査をしてみたところ、卵巣がんのステージ3だということでした。しかも手術をしてみないと悪性なのか良性なのかがはっきりしないと言われました。その時の私の気持ちは、「体のどこも痛くないのに私は死んでしまうのか?」「お腹を開けたが最後、死んでしまうのではないか?」など、頭の中は真っ白になり、信じられない気持ちでいっぱいでした。
自分に起きたことだとは思えない衝撃的な出来事でした。すぐに手術を行うということになり、卵巣、子宮、リンパ節54ヶ所を切除する大手術になりましたが、私は生還することができました。
手術後は卵巣がんの場合は転移しやすいとの事で、抗がん剤治療が間を空けることなく始まりました。パクリタキセルやカルボプラチンなど合計8回にのぼりました。
幸いにも私のがんは、抗がん剤が効くタイプだったようです。ただ、手がこわばったり、食事の量が減り、体重は10kg落ちるなどの副作用は経験しました。
なかでも、副作用として特に気になったのが2つありました。1つは口の中がやけどをしたかのように上下が痛くなること。また、頭の左側がずっとキーンと音がしているように感じた事でした。
そんな頃、主人が本屋で帯津三敬病院の院長が著者である「がんになっても諦めない!」という書籍を読んで、がん治療には病院で受ける治療以外にも代替治療と呼ばれる治療方法があることを知る機会がありました。私もこの本を読み、沢山のことを学ばせて頂きました。
さて、副作用で気になっていた頭の中でするキーンという音ですが、気になり何度も担当医にたずねましたが、専門外のことなので詳しいことはわからないと言われるなど、あまり話を聞いてもらえない時期がありました。
ある日、母と話していた時に私の話し方がろれつが回っていない事に気づき、再度医師に話したところ、脳を見てくれる病院を紹介してくださいました。そこで再び精密検査を受けて担当医の方が下した診断は、卵巣がんの時と同じくらい衝撃的な事でした。
「転移性脳腫瘍です。大きさは1.6㎝あり、余命は1年でしょう」 それは、一番初めのがんを告知された時から半年後のことです。この時に私たち夫婦は、医師の言っていることだけを鵜呑みにしてはダメなのだと痛感しました。
すぐにガンマナイフを使った治療を行い、一旦落ち着いたのですがさらに半年後に小脳に再発。先生に何とかお願いして合計4回の放射線治療を行いました。
主人は以前に読んだことのある帯津先生が書かれた書籍のことを思い出し、インターネットを使い脳腫瘍のことを調べていました。脳腫瘍に効くというものの情報がほとんどない中で、帯津先生の本に記載されていたのが漢方薬でした。帯津先生が漢方薬を推奨されていたことが私たちにとっての信用となり、さっそく資料請求をしてみました。
漢方薬のサンプルをのんだ時のことは今でも忘れられません。抗がん剤治療をしていた時から続いていた口の中の痛みがふっと和らいだのです。これは私にとって効くのではないかと感じ、注文してみました。高価なものなので1日1本飲むようにしています。
漢方薬を飲むと口の中の痛みは軽減され、体調も非常に良くなることが自分でもしっかりと感じ取れるようになりました。そして何より漢方薬を飲んでから、MRI検査の結果が今までにないくらい良かったことが主人も私も嬉しい事でした。
正直、血液検査の結果は良くなっておらず数値は悪いままですが、口の中の痛みが治まったり、体調が良くなったりしたことから、漢方薬自体には私たちがん患者にとって"生活の質"を向上させてくれることは間違いないのではないかと改めて認識することができました。
私にはまだ、これから大学に入学する子供もおりますし、主人と一緒に仕事もしています。自分の治療だけでなく、家族のことも考えていかなければならないので、元気に強く生きなければと思っています。
(参考)
・全国の卵巣がんの名医リスト一覧
・ステージ4・ステージ3からの卵巣がん治療 |